眼科専門医試験解説

第35回 眼科専門医認定試験 一般問題 過去問解説

第35回 眼科専門医認定試験 一般問題の解説を行います。
公式解答は発表されておりませんので間違い箇所がございましたらお問い合わせ欄もしくはTwitterのDMより指摘いただければ助かります。

問題については以下↓の眼科学会ホームページよりダウンロード出来ます。

専門医試験過去問(日本眼科学会HP)はこちらから(未掲載)

第35回臨床問題の解説はこちらから

目次

1問:中心窩に存在するもの

答えはa, c, d

2問:神経堤に由来する組織

答えはb

3問:眼球運動神経核について

答えはa, b

対側支配は「上」直筋と、「上」斜筋です。

4問:隅角所見

答えはc

5問:錐体細胞と桿体細胞の比

答えはd

6問:スペキュラーマイクロスコピー

答えはc

CV値(変動係数)『は細胞面積の標準偏差/平均細胞面積』のことで、大小不同を表す指標である。

7問:外眼筋と前眼部血管

答えはb

a. 短後毛様動脈は視神経を栄養です。

b. その通りです。下斜筋起始部は眼球後方へはいかず眼窩壁の前縁内側よりから起始します。

c. 上斜筋は滑車部から上直筋の下を通って耳側の外直筋近くに停止します。

d. 内下外上の順番で角膜から遠いです。

e. 外直筋だけは前毛様動脈は1本です。

8問:Goldmann圧平眼圧計

答えはb

9問:眼内液のサイトカインを用いた検査

答えはa

10問:多発血管炎生肉芽腫症(GPA)の眼合併症

答えはa, e

強膜炎と周辺部潰瘍が有名です。

11問:自動視野計

答えはe

30-2では3度でなく6度間隔です。
覚えていなかったとしても検査結果をイメージして『30÷6=5』と考えると、上下左右の5つくらいずつ点がプロットされていることが想起できると思います。
3度ずつだとすると10こずつ、つまり縦横に20個測定点があるということなのでさすがに多すぎる印象です。

12問:眼底自発蛍光

答えはd

13問:検影法

答えはd

14問:学校伝染病

答えはe

『感染症法』の3類感染症ではなく、『学校保健安全法』の第三種感染症なので流行性角結膜炎が答えです。

15問:空気感染する感染症

答えはa, b

『けだまフワフワ空気感染』と覚えます。

け:結核
だ:帯状疱疹
ま:麻疹

16問:医療機関のウェブ広告

答えはa

17問:VDT作業者の配置前健康診断

答えはb

18問:世界の失明・視覚障害問題

答えはe

19問:指定難病

答えはd

20問:身体障害者診断書・意見書

答えはc, e

21問:甲状腺眼症

答えはd

収縮障害ではなく伸展障害です。

22問:転移しづらい眼瞼腫瘍

答えはc

23問:アレルギー性結膜炎

答えはa

春季カタルでは乳頭から出た好酸球によって遷延性上皮欠損を伴うシールド潰瘍を形成します。

一応タクロリムス点眼の添付文書を見ると眼圧上昇の記載があるものの、専門医試験では過去問をみても免疫抑制点眼は眼圧上昇を起こさないというスタンスになっています。

24問:季節性アレルギー性結膜炎の治療薬

答えはb, c

25問:上輪部角結膜炎

答えはa

上輪部角結膜炎には甲状腺眼症をしばしば合併します。

26問:角膜浮腫を生じないもの

答えはd

角膜浮腫の種類は大まかに以下のように分けられます。

  • 高眼圧:上皮のみの浮腫
  • 水疱性角膜症:上皮・実質の浮腫
  • 低眼圧や眼球癆:実質のみの浮腫

27問:角膜内にアミロイドが沈着する角膜ジストロフィ

答えはb, d

28問:角膜上皮ステムセル疲弊

答えはb, c

29問:角膜後面コインリージョンを生じる疾患

答えはe

30問:Meibom腺あるいは眼瞼縁の炎症と関連する疾患

答えはc, d

31問:薬剤性角膜上皮障害

答えはa

32問:青色強膜を合併しない疾患

答えはd

33問:高齢女性の近視進行

答えはc

34問:水晶体偏位

答えはb, e

35問:網膜血管線条

答えはd

36問:全視野ERGで異常を呈する疾患

答えはb

先天網膜分離ではフラッシュERGで陰性型になります。

Stargardt病は全視野ERGで異常を呈するものもありますが、専門医試験では基本的に異常を来さないというスタンスで過去問でも出題されています。

37問:糖尿病網膜症の眼底所見

答えはa, d, e

硬性白斑が円形にみられるものを輪状網膜症と呼ぶそうです。

38問:多発消失性白点症候群(MEWDS)

答えはb, e

39問:後部硝子体剥離が未剥離であることが多い疾患

答えはb, d

40問:加齢黄斑変性症について

答えはa, d

41問:自然寛解が期待できない疾患

答えはc

42問:遺伝することがある眼内腫瘍

答えはc, d

43問:ERGの発生機序

答えはc

44問:網膜色素変性症の合併症

答えはa, b

45問:Coats病

答えはd

46問:未熟児網膜症の治療適応

答えはe

47問:Behcet病について

答えはb, e

シダ状蛍光漏出は病勢が落ち着いている時にも割と残っていることが多いですが、病勢によって程度は変わりますし他の選択肢がバツなのでこれを答えにしました。

48問:Posner-Schlossman症候群

答えはc

49問:ぶどう膜炎をきたす疾患

答えはa, d

50問:内因性真菌性眼内炎の起因菌

答えはa, c

51問:原田病

答えはa

52問:サルコイドーシスの治療

答えはa, b

53問:IgG4関連眼疾患

答えはe

類上皮細胞がみられるのはサルコイドーシスです。

54問:黄斑病変を生じる薬剤

答えはd, e

55問:動的検査影法

答えはa, c

56問:調節域の幅の計算

答えはb

57問:屈折矯正手術

答えはa

late onset myopiaがあるので適応は18歳以上です。

58問:先天性白内障の予後

答えはe

59問:生後3ヶ月の乳児の異常所見

答えはa, b

60問:弱視について

答えはd

61問: 複像間距離について

答えはa

62問:微小斜視弱視

答えはc

63問:sagging eye syndrome

答えはc, d

64問:色覚について

答えはb

65問:青錐体1色覚について

答えはd

66問:マイヤーループの視野障害

答えはe

67問:非動脈炎性虚血性視神経症について

答えはe?

自信ありませんが、CRVOとNAIONの合併報告がいくつかありました。
他のリスクとしては原田病も挙げられます。

68問:視神経炎

答えはc

69問:抗MOG抗体陽性視神経炎

答えはc

70問:視力低下と眼球運動障害をきたす疾患

答えはc

71問:重症筋無力症

答えはa, c

72問:上下複視をきたしやすい疾患

答えはc, d

73問:近視眼の緑内障について

答えはe

d. 黄斑周囲OCTによる網膜厚検査が有用です。

74問:房水産生抑制作用を有する薬剤

答えはb, c

75問:交感神経受容体に作用する薬剤

答えはb, c

76問:白内障手術併用眼内ドレーン(iStent®)の適応

答えはa

77問:緑内障性視神経症で障害を受けるのはどれか

答えはd

78問:原発小児緑内障の特徴でないのはどれか

答えはb

79問:開放隅角緑内障進行の危険因子

答えはb

80問:角膜内皮障害がある症例に注意すべき薬剤

答えはa

CAIが内皮障害の副作用があるので、βブロッカーとCAIの合剤であるドルモロールが答えです。

81問:閉塞隅角症の定義

答えはa, b

82問:鈍的外傷による眼球破裂

答えはa

83問:外傷後の眼圧上昇の原因でないもの

答えはc

84問:眼窩吹き抜け骨折の要因となるスポーツ

答えはb

85問:外傷性視神経症

答えはd, e

86問:角膜提供のて適応

答えはb, e

被虐待児から臓器提供は行えませんので、虐待の精査は必要です。

87問:光学式眼軸長測定装置の測定範囲

答えはb

88問:レーザーによる後発白内障切開術に使用する点眼

答えはd

89問:角膜移植拒絶反応の危険因子

答えはd

90問:毛様体神経節ブロック

答えはa, d

91問:レーザーの波長

答えはd

92問:疾患と術式の組み合わせ

答えはe

93問:ハイドロダイゼクションで後嚢破損を発生しやすいもの

答えはc, e

94問:翼状片手術について

答えはc

95問:眼振の手術法

答えはc

96問: 解剖

答えはa

97問:トリアムシノロンアセトニドの合併症

答えはb, d

98問:眼内タンポナーデについて

答えはa

99問:眼球運動障害の原因となる術式

答えはa, d

100問:角膜内皮障害を起こしやすい術式

答えはc

濾過手術は内皮障害の原因となります。

参考文献:https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/corneal_endothelium.pdf

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