
第35回 眼科専門医認定試験 臨床問題の解説を行います。
公式解答は発表されておりませんので間違い箇所がございましたらお問い合わせ欄もしくはTwitterのDMより指摘いただければ助かります。
問題については以下↓の眼科学会ホームページよりダウンロード出来ます。
1問:毛様体の病理
答えはb, e
2問:片頭痛
答えはb
3問:漿液性網膜剥離
答えはa
4問:眼窩底骨折
答えはe
5問:ROC曲線
答えはb
6問:身体障害者の視覚障害認定
答えはe
7問:リスク比の算出
答えはd
8問:涙道造影
答えはc
9問:睫毛内反
答えはe
10問:眼瞼腫瘤
答えはa
11問:甲状腺眼症
答えはa, e
12問:淋菌性結膜炎
答えはe
13問:結膜乳頭腫
答えはb
14問:角膜知覚計
答えはe
15問:スティーブンス・ジョンソン症候群
答えはd
16問:角膜内皮移植後
答えはd
17問:類天疱瘡
答えはd
白内障術後から進行しているという病歴と、角膜への結膜侵入や結膜嚢短縮所見から眼類天疱瘡を疑います。
18問:アカントアメーバ角膜炎
答えはa, e
19問:モルガーニ白内障
答えはa, e
20問:後部ぶどう腫
答えはd
21問:pit-macular症候群
答えはb, d
22問:黄斑円孔
答えはb
視力がよく円孔がかなり狭いので自然閉鎖も期待できる可能性はあるかもしれませんが、3週間前からの視力低下でおそらくPVDも起こっていていそうなので手術でよいのかなと思いましたが自信ありません。
23問:中心性漿液性網脈絡膜症
答えはc?
PDTをしたいように思いますが、保険収載されているのは光凝固だけなのでこちらを答えにしました。黄斑部から離れているのでPCという意図だと思いますが、CNVリスクも考えると悩ましいです。PDT保険収載して欲しいです…
24問:黄斑円孔
答えはc
25問:裂孔原生網膜剥離
答えはc
26問:サイトメガロウイルス網膜炎
答えはb
眼底所見的にCMV疑いますが、易感染性のエピソードが書かれていないのでそこは難しいですね。若年男性ですしAIDSなど調べる必要があるかもしれません。
27問:サルコイドーシス
答えはd?
28問:脈絡膜血管腫?
答えはc
眼底所見とIA所見からおそらく黄斑部に限局した脈絡膜血管腫だと思います。
視力低下があるので、おそらく漿液性網膜剥離が原因と考えられます。
29問:梅毒
答えはb
30問:黄斑コロボーマ
答えはa
31問:Fabry病
答えはd
32問:非屈折性調節性内斜視
答えはa
遠見で斜視がなく、近見で内斜視となっているので遠視によるものではなく高AC/A比によるものなので、ピント調節をかけなくていいように二重焦点眼鏡をかけます。
33問:交代性上斜位
答えはd
交代性上斜位では先天眼振や乳児内斜視を合併するのは重要です。
34問:Hirschberg法
答えはc
瞳孔縁に光の反射があるので15°に相当します。
1°=2Δに相当するので、答えは30Δです。
35問:複視
答えはb
左方視で複視が出ているので『左眼の外転障害』か『右眼の内転障害』を疑いましたが選択肢にないので、右上斜筋麻痺に伴う下斜筋過動による複視と考えました。
36問:NAION
答えはc
37問:レーベル遺伝性視神経症
答えはc
右眼のdiscが赤く軽度腫脹していそうで、FAでdisc周囲の毛細血管の蛇行所見があるので、レーベル遺伝性視神経症を疑います。
38問:PAP
答えはc
FP受容体作動薬による副作用を疑いますので、cが正解です。
39問:水晶体脱臼
答えはb, d
水晶体が前房側に脱臼しています。選択肢的には外傷が疑われますので水晶体摘出を行います。
40問:濾過法感染
答えはe
41問:shaken baby syndrome
答えはe
42問:外傷性黄斑円孔
答えはd
外傷性黄斑円孔は自然治癒が期待できるので一旦経過観察をしますが、この症例は3ヶ月たって治っていないので手術を考えます。
43問:涙小管炎
答えはd, e
メスで涙点拡張して、匙でかきだします。
涙石は多数あることが多いので、涙道内視鏡などが必要になることもあります。
44問:急性原発閉塞隅角症
答えはa, b
過去に左眼にLIが行われており、それが詰まってしまい緑内障発作、水疱性角膜症になってしまったと推測されます。
45問:Irvine gass症候群
答えはd
46問:進行性虹彩萎縮
答えはe
47問:緑内障
答えはd
61歳女性で軽度遠視で、隅角所見ではdouble hump signを認めていることからプラトー虹彩を疑います。水晶体再建術が答えに思います。
48問:開放隅角緑内障疑い
答えはe?
これは何を示唆しているのか不明です、が消去法でeを選びました。
視野をよく見ると、視野障害パターンが緑内障にしては非典型で、両眼とも10-2範囲の耳側視野障害がきついのがおかしいです。
緑内障以外の中心視野異常が起こる疾患が隠れている可能性があるので多局所ERGをやっても良いかもしれません。
他の選択肢としては隅角やOCTはもちろん必須ですし、10-2の中心視野視認点数は右13点、左2点なのでエスターマン視野で障害者認定できるか調べてあげると良いと思います。
49問:鉄片異物
答えはb
50問:トラベクロトミー後
答えはb, e