網膜疾患

眼虚血症候群について

こんにちは!眼科医ぐちょぽいです!

本日は眼虚血症候群についてまとめていきます。

眼虚血症候群とは

眼虚血症候群というのは眼動脈や内頸動脈の狭窄、閉塞によって慢性的に眼血流の低下が起こり、眼球全体が虚血となる病気です。

片眼が多いですが、20%くらいは両眼性です。
50〜80歳くらいの男性に多く糖尿病、高血圧、脂質異常症などの血管リスクの高い患者に多いです。
特に内頸動脈の狭窄が原因となることが多いです。
上記以外にも側頭動脈炎や高安動脈炎が原因となることもあります。

眼虚血症候群の症状

症状としては網膜動脈の狭小化、静脈拡張を来し、毛細血管瘤や点状出血などが耳側網膜から認めるようになります。

進行すると鼻側へと病変は広がり、乳頭上新生血管を生じたり、虹彩新生血管による血管新生緑内障を来します。

眼虚血症候群の検査所見


FAG検査では腕網膜循環時間(フルオレセインを入れてから網膜血管が還流されるまでの時間)の遅延が見られるのが特徴です。

また、内頸動脈や眼動脈の狭窄を見るためにMRAや頸動脈エコーなどが重要です。
特に内頸動脈の狭窄が原因となるのが90%程度あるので見逃さないことが大切です。

左右の眼で病期に差がある糖尿病網膜症をみた時には、眼虚血症候群の可能性を考慮する必要があります。

眼虚血症候群の治療

治療は虚血に対して汎網膜光凝固(PRP)が必要で、血管新生緑内障となった場合にはトラベクレクトミーや毛様体冷凍凝固などが必要になることがあるので、虹彩や隅角の新生血管の有無のチェックも重要です。

まとめ

臨床的には片眼発症の血管新生緑内障を見つけた時には必ずこの疾患を想起して、最低でも頸動脈エコーなどの評価はしておくとよいかと思います。

それでは本日はこの辺で。

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