網膜疾患

高安動脈炎(大動脈炎症候群)について

こんにちは!眼科医ぐちょぽいです!

本日は高安動脈炎(大動脈炎症候群)についてまとめます。

高安動脈炎とは

高安動脈炎は大きな動脈の血管炎により大動脈及びその分枝や肺動脈、冠動脈に閉塞性や拡張性病変を来す疾患です。

30歳くらいの若年女性に多い疾患で、日本で5000人程度のレアな疾患なのです。
臨床的には左上肢の脈なし、冷感、血圧低値などを認めます。

上記のように割と太い血管に動脈炎を起こすのですが、総頸動脈の狭窄に伴う眼虚血が起こることにより眼の病変も引き起こします。

この疾患を初めて発見したのが日本人眼科医の高安先生で、その名前がついた疾患なので眼科専門医試験にも狙われやすいと思います。

高安動脈炎の眼症状

眼病変は眼虚血症候群に類似しており、耳側網膜からはじまる血管拡張や血管瘤、動静脈吻合、新生血管などを生じ、最終的には血管新生緑内障を来すことがあります。
また全身疾患に伴うのでしばしば両眼性に病変を認めます。

高安動脈炎の眼底所見

診断には造影CTなどで大動脈病変を描出することが重要です。
眼科的にはカラーで点状出血や動静脈吻合、蛍光漏出などを認めます。
両眼性の場合には糖尿病網膜症と鑑別が難しい例がありますが、若年女性の発症ですので基礎疾患の有無である程度鑑別できるかと思います。

高安動脈炎の治療

治療には全身には血管炎治療としてステロイドや抗血小板薬などが使用され、眼科的には眼虚血症候群に準じて治療を行います。

それでは本日はこの辺で。

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