黄斑疾患

網膜内血管腫状増殖(RAP)について

網膜内血管腫状増殖(RAP)について

網膜内血管腫状増殖(RAP)は滲出性AMDに分類される特殊型です。
ですので他記事で解説している①典型AMD, ②PCV, ③RAPの3種類を理解出来れば滲出性AMDがざっくりわかったことになります。

RAPの特徴

他の記事で典型AMDやPCVでは脈絡膜から新生血管が生えてくるのが原因で、type1CNVやtype2CNVがあるということを解説しました。

しかしRAPでは網膜からの新生血管が原因となり、脈絡膜の新生血管と吻合するのが特徴的です。

PCVは男性に多く、比較的若年に発症することと対照的に、RAPは高齢女性に発症します。
また、両眼発症が多いことも特徴ですので片眼のRAPと思っていても実は僚眼に初期のRAPを見つけることがしばしばあるので見落とさないことが大切です。

reticular pseudodrusenがこのRAP発症の強い危険因子と言われています。

画像診断

Guidelines for the management of neovascular age-related macular degeneration by the European Society of Retina Specialists (EURETINA)” by Victor Chong can be reused under the CC BY-NC3.0license

診断には眼底造影検査で網膜血管とCNVの吻合を確認することが重要で、FAGよりもICGAの方が検出率は高いと言われています。
FAGで耳上側に吻合形成を認め、さらにその外側にびまん性過蛍光を認めます。
ICGAでは、より明瞭に吻合形成が観察出来ると思います。

しかし、FAGやICGAだけでは診断が難しい場合もありますので、OCTも診断に有用です。

上の画像のOCTではPEDを認めます。この画像所見では認めませんが、RPEに一部断裂がある場合があり、これをbump signと呼びます。
このbump signがあればRAPを強く疑います。
またOCTでは脈絡膜が薄いことも特徴的です。

治療

治療は他のAMDと同様に抗VEGFが基本ですが、治療に抵抗性ですのでPDTとの併用が推奨されるという意見もあります。

日本では滲出性AMDの中の約5%と比較的少ないですが治療に抵抗する例が多いイメージです。

AMDを理解するにはこの①典型AMD、②PCV、③RAPの理解が先決だと思いますので、これらの内容を軸に知識を肉付けしていけばよいかと思います。

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