黄斑疾患

網膜色素線条について

こんにちは!眼科医ぐちょぽいです!

本日は網膜色素線条について勉強していきたいと思います。

網膜色素線条とは

網膜色素線状というのは、ざっくり言うとブルッフ膜が割れて、間から脈絡膜新生血管が網膜に生えてくる病気です。

こんなイメージです。

ブルッフ膜について

まず、ブルッフ膜の解剖です。以下のように網膜側から5層になっています。

  • 網膜色素上皮細胞基底膜
  • 内膠原線維層
  • 弾性線維層
  • 外膠原線維層
  • 脈絡膜毛細血管内皮基底膜

そして網膜色素線条ではこの弾性線維が変性して石灰化し、割れてしまうことでその隙間から新生血管が生えてきます。

網膜色素線条の画像所見

網膜色素線条の画像所見としては、視神経乳頭周囲の萎縮があり、そこから放射状にのびるブルッフ膜のヒビ割れによる線条病変が特徴的です。
また、梨子状眼底(peau d’orange)と呼ばれるRPEがまだらで粗造な色調に見える病変も特徴的です。

典型的な画像所見が見られるサイトへのリンクを貼っておきます。
眼底写真だけでなく前述のPXEの首の写真も下方にあります。
https://webeye.ophth.uiowa.edu/eyeforum/atlas/pages/Angioid-Streaks-and-Associated-Conditions.htm

視神経乳頭からヒトデ状にのびる線条が観察できるのと、黄斑の耳側にブツブツに見えるのが梨子状眼底です。

全身疾患の合併

網膜色素線条は全身の弾性線維が石灰化するような疾患に伴うことが多いです。
最も多いのが皮膚の弾性線維性仮性黄色腫(PXE)という常染色体劣性遺伝の疾患を合併するもので、網膜色素線条とPXEを合併するとGrönblad-Strandberg症候群という名前になります。
名前が覚えにくいですが、ややこしい名前は出されがちなのでこれは覚えるべきだと思います。

ちなみに京大のデータでは網膜色素線条患者の90%でPXEの合併を認めたというデータもありますので臨床的にも皮膚病変を探す努力は必要だと思います。

他に網膜色素線条に合併するものは、Ehlers-Danlos症候群Paget病鎌状赤血球症などが有名ですので全て覚えておく必要があります。
また上記以外にも心血管病変を合併することがあるのでそちらの精査も必要です。

弾性繊維性仮性黄色腫(PXE)の所見

蕁麻疹のような膨らみ方の黄白色の丘疹が散在、癒合した皮膚病変が特徴的です。
皮膚病変は首や腋窩、鼠径部、臍、肘などに出現します。

その他

余談ですが、近視性脈絡膜新生血管の原因はいくつか言われていますが、一説として眼軸が伸びることによってブルッフ膜が物理的に裂けることで、その裂け目から新生血管が出てくると言われています。ですので原因は違いますが網膜色素線条と近視性脈絡膜新生血管は病態的にはどちらもブルッフ膜が割れて、その隙間から新生血管が出てくる病気と合わせて覚えておくと良いと思います。

ちなみにPXEは国の指定難病になっており、きちんと診断することで高額な抗VEGF治療などの補助も出るので忘れずに説明することが重要です。

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