第36回 眼科専門医認定試験 一般問題の解説を行います。
公式解答は発表されておりませんので間違い箇所がございましたらお問い合わせ欄もしくはTwitterのDMより指摘いただければ助かります。
問題については以下↓の眼科学会ホームページよりダウンロード出来ます。
目次
第1問:視神経の解剖
答えはb, c
第2問:朝顔症候群
答えはd, e
第3問:眼圧測定
答えはa, b
第4問:網膜色素上皮肥大
答えはd
第5問:涙道内視鏡
答えはa, c
cは涙嚢壁だと思います。
第6問:散布図
答えはc, d
第7問:メタアナリシス
答えはb, c, e
第8問:研究デザイン
答えはb
術後1年までに2段階以上視力改善した郡とそうでない郡に対して影響因子を比較する研究ですので症例対照研究ですかね?自信ないです。
第9問:眼瞼腫瘍
答えはd
メルケル細胞癌です。
第10問:角膜混濁
答えはc
角膜フリクテンです。
第11問:角膜炎
答えはe
眼瞼と角膜に異常をきたしており、VZV角膜炎を疑います。
第12問:角膜混濁
答えはc
カタル性角膜潰瘍です。
第13問:角膜ジストロフィー
答えはa
シュナイダー角膜ジストロフィーです。
第14問:上皮びらん
答えはb, d
聴神経には顔面神経や三叉神経が近いのでそれらの障害の可能性を考えます。
第15問:後発白内障
答えはc, e
液状後発白内障です。過去問で硝子体手術が液状後発白内障になっていた問題もありましたが、この画像では混濁が軽度で後嚢が見えるのでYAGでいけそうだと思います。
第16問:白点
答えはb
白点状眼底です。
第17問:漿液性網膜剥離
答えはa
FAで漏出点があり、そこから広がる漿液性剥離が広がっています。CSCの劇症型かと思います。
第18問:サッカーボール外傷
答えはa
脈絡膜破裂に網膜下出血が起こっています。
黄斑に出血がかかっているかは微妙ですが、視力も0.8と良好なのでガス注入はし辛い気がします。自信ないです。
第19問:focal choroidal excavation
答えはa
これはfocal choroidal excavationなので経過観察でOKです。
第20問:網膜出血
答えはe
網膜前出血と器質化した網膜下出血を認めます。明らかな毛細血管瘤は認めませんし、出血の部位をみるとPCVに伴う出血の可能性が最も高いと考えました。
第21問:ステロイドで増悪する疾患
答えはd
CSCです。
第22問:星状硝子体症
答えはa, e
星状硝子体症です。
糖尿病患者にも合併しやすい印象がありましたが、関連性は否定されているようです。
参考:https://eyewiki.aao.org/Asteroid_Hyalosis_(AH)
第23問:前部ぶどう膜炎
答えはa, e
潰瘍性大腸炎に伴う急性前部ぶどう膜炎です。
第24問:網膜色素線条
答えはa
眼底は網膜色素線条です。弾性線維性仮性黄色腫の合併が多いので皮膚科紹介を行います。
第25問:角膜後面沈着物
答えはd, e
コインリージョンを認めておりCMVを疑います。
第26問:結核
答えはe
出血を伴う静脈炎を認めており、結核を疑います。
第27問:急性網膜壊死
答えはd
周辺部の癒合した白色病変と強い炎症があり、ARNを疑います。
第28問:トキソプラズマ
答えはa
FAでblack centerを認めており片眼性であるので後天性トキソプラズマ症を疑います。
第29問:クロスシリンダー
答えはe
計算するとeが答えになります。クロスシリンダーがわからなかったとしても、レンズを入れても最小錯乱円の位置はかわらないように検査をするので、選択肢の中で問題文の屈折値と最小錯乱円の位置がかわらない選択肢はeしかありません。
第30問:オートレフ
答えはb
これは問題画像をみると左眼のケラト値の軸が93と記載されていますが、おそらく13度の間違いだと思います。おそらく不適切問題ですかね?
第31問:バゴリーニ
答えはd
立体視閾値が480秒あります。titmusでanimalのAができれば400秒くらいですのでflyはわかってもanimalはわかりづらいくらいです。立体視が一応あるのでa, d, eが考えの可能性があり、立体視が弱いことからはdが最も考えられると思いました。
これはどっちのレンズにバゴリー二のレンズをどの角度で入れたか書いて欲しかったです…教科書によって右眼と左眼の見え方が違うパターンがありましたので…
第32問:滑車神経麻痺
答えはc
これは左眼の滑車神経麻痺かと思います。HESSが見たことのない形式で悩ましいのですが、術後には上下斜視が改善しているのがわかります。また左眼の内上方方向への軽度眼球運動障害を認め、右眼の外上方方向へ過剰に動いていることから、左眼の下斜筋の後転が行われたと考えられます。
第33問:固定内斜視
答えはa
固定内斜視です。
第34問:非屈折性調節性内斜視
答えはc, d
これは完全矯正下では2Δの外斜位であり内斜視がなく、近見時に内斜視が出ているので非屈折性調節性内斜視です。
AC/A法の測定法としてはfar Gradient法が有名で、完全矯正下での遠見のAPCTと-3D負荷時の遠見のAPCTを測定します。
治療は二重焦点眼鏡です。
第35問:間欠性外斜視
答えはa?
斜位近視が起こっています。斜視角が大きいですし手術が必要かと考えました。自信ありません。
第36問:視神経炎
答えはa
強い眼痛と前部視神経から視交叉にかけての長い病変を認めていることから抗MOG抗体陽性視神経炎を疑います。
第37問:SSOH
答えはb
double ring signがありそうですが乳頭逆位はありません。
5年経過しても進行していないので経過観察でよいです。
第38問:視神経と動眼神経麻痺
答えはb, e
右視神経障害がと右動眼神経麻痺があります。動眼神経麻痺があるので右眼は縮瞳しませんのでc, dは違います。また視神経障害により右眼からの間接反応も落ちているはずなので右眼に光を入れても左眼は縮瞳障害があるので、aも違います。
第39問:PE
答えはa, d
第40問:血管新生緑内障
答えはb, d
第41問:眼窩内壁骨折
答えはe
内直筋が骨に咬み込んでいます。
第42問:移植後角膜感染
答えはa
角膜移植後のカンジダ感染です。
第43問:TS-1
答えはb, e
TS-1による角膜障害と涙道閉塞を疑います。
第44問:iStent
答えは:b, e
第45問:網膜出血
答えはa
両眼性の軟性白斑や網膜出血を認めており、左disc edemaもあるので高血圧などの全身疾患を疑い内科治療を行います。
46問:パーフルオロカーボン
答えはe
網膜下へのPFCの迷入です。経過観察でも良い気がしますが、選択肢的には手術しかないかと思います。
47問:黄斑円孔
答えはc
黄斑円孔の最も近い距離が400μm以上かどうかでinvertedの適応となります。
48問:Goldman三面鏡
答えはa
ゴールドマンの三面鏡は中央のレンズは直像ですので、鏡で左右反転して見えます。また、耳下側を見ようと思うとミラーを鼻上側に動かす必要があるので反時計回りです。
49問:甲状腺眼症
答えはd
画像は下直筋をひっぱっています。甲状腺眼症では下直近の伸展障害があります。eの選択肢はfaden法のことかなと思います。
50問:レクトミー術後
答えはa
レクトミー術後の脈絡膜剥離ですので経過観察でOKです。