目次
若年性特発性関節炎(JIA)とは
若年性特発性関節炎(JIA)は16歳以下で発症する関節を主病変とし、6週間以上症状が持続する特発性関節炎と定義されています。
定義を読んでもよくわからないと思うので、ざっくりHLA-B27関連の関節炎と同じような症状が16歳以下にみられたらJIAというイメージで覚えておくと理解しやすいと思います。
若年性特発性関節炎に伴うぶどう膜炎
ぶどう膜炎の発症は1〜6歳の女児に多いです。
基本的に上記のようにHLA-B27関連関節炎と似た関節炎ですので、急性前部ぶどう膜炎とよく似たぶどう膜炎を呈します。
若年性特発性関節炎(JIA)に伴うぶどう膜炎の所見
非肉芽種性の虹彩毛様体炎で、微細なKPを伴い、虹彩後癒着を伴います。前房蓄膿やフィブリン析出を伴うこともあります。ここまでは急性前部ぶどう膜炎に似ていますね。
違う点もいくつかあります。
まず、こちらは両眼性が多いです。
そして虹彩毛様体炎がある割に毛様充血や眼痛などの症状が軽度であり、白いぶどう膜炎とも呼ばれます。
また、急性前部ぶどう膜炎では周辺部虹彩前癒着(PAS)は稀ですが、この疾患では全周にPASを引き起こして続発緑内障の原因となることもあります。
慢性再発性になることも多々あり、慢性化している例では帯状角膜変性を伴います。
多くの症例では関節炎を発症してからぶどう膜炎を発症すると言われていますが、ぶどう膜炎が先行して発症する例もありますので全身状態の変化なども聞き逃さないように注意が必要です。
若年性特発性関節炎の検査所見
採血では抗核抗体が高率に陽性となります。
関節炎ですがリウマチ因子は陰性のことが多いです。