網膜疾患

クリスタリン網膜症

クリスタリン網膜症とは

進行性の脈絡膜萎縮を来す疾患で、常染色体劣性遺伝です。
原因遺伝子はCYP4V2

クリスタリン網膜症の疫学

東アジアや中国、日本に多いと言われています。

クリスタリン網膜症の症状

典型例では20〜30歳代の男女で夜盲を発症し、視野は中央部感度低下を認めます。

クリスタリン網膜症の検査所見

眼底所見

眼底に散在する結晶状の沈着物が認められます。これがクリスタリンと呼ばれる所以です。
眼底自発蛍光では斑状の低蛍光を認めます。

クリスタリン網膜症の眼底写真(Retina Image Bank)

ERG所見

ERGでは桿体、錐体ともに同程度減弱を認め、進行例ではflatなERGとなります。

クリスタリン網膜症と網膜色素変性症の鑑別

クリスタリン網膜症の進行例では特徴的な結晶状の眼底沈着物が消えていくので、網膜色素変性症と鑑別が難しい場合があります。
鑑別には遺伝子検査が有用です(保険適応外)。

その他の鑑別点としてクリスタリン網膜症では網膜血管は正常で、狭小化を認めないこと、1/3の症例で角膜周辺部に小白点の沈着を認めます。

その他

ちなみに原因遺伝子のCYP4V2脂質代謝に関連しており、高コレステロール血症などを認めることもあります。

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