目次
眼瞼縁炎について
眼瞼縁炎の原因としては感染性(ブドウ球菌などの細菌、ヘルペスなどのウイルス)と非感染性(脂漏性皮膚炎)とに分けられます。
この記事では最も頻度の高いブドウ球菌によるものによるものについて解説します。
眼瞼縁炎の原因
睫毛の根部への表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌の感染が原因となります。
菌自体だけでなく菌が産生する外毒素が眼瞼の皮膚のびらんや潰瘍を引き起こします。
特に感染を起こしやすいのは高齢者、糖尿病、アトピー患者などで抗菌薬点眼が長期投与されているような例ではクラビット耐性を獲得している可能性があるので、難治例では結膜嚢の培養検査により薬剤感受性を調べると役に立ちます。
眼瞼縁炎の症状
自覚症状としては眼瞼の灼熱感、疼痛、異物感、眼脂などがあります。
眼瞼縁炎の細隙灯検査所見
睫毛の根本に堅くてもろいフィブリン様の膜様物を認めるのが特徴です。
これはcollaretteと呼ばれます。
collaretteは鑷子などで容易にとれますが、その際に表皮の出血を起こすことも特徴的です(出血しないことも多いですが、出血したらそれっぽいという程度です)。
眼瞼縁炎の治療
治療としては眼瞼の清拭と、タリビッド眼軟膏などのニューキノロン系の軟膏が点眼よりも有効です。
カタル性角膜潰瘍について
上記のブドウ球菌が産生する外毒素に対する免疫反応によって角膜のSPKや角膜周辺部の角膜潰瘍を合併することがあります。
この周辺部潰瘍はカタル性角膜潰瘍と呼ばれます。
これらの反応は細菌自体が引き起こしているわけではなく、毒素へのアレルギー反応なのでステロイド治療が必要で、角膜擦過培養を行ったとしても細菌は認めません。