神経眼科

瞳孔緊張症(Adie症候群)について

こんにちは!眼科医ぐちょぽいです!

本日は瞳孔不同を来す疾患として瞳孔緊張症について勉強していきたいと思います。

瞳孔緊張症とは

瞳孔緊張症は健康な若年成人に急性発症する片眼の散瞳です。
稀に両眼発生のものもあります。

原因は毛様体神経節の障害と考えられていますが、具体的な原因ははっきりしていません。
四肢の腱反射の消失も合併する場合にはAdie症候群と呼ばれます。

症状について

患者の自覚症状としては羞明が主ですが、鏡で自分の顔を見たり、他人から指摘されて判明することもあります。

他覚所見について

明所での診察で患眼の散瞳を認めますが、これは縮瞳障害や過剰な散瞳が起こっているわけでなくその名の通り瞳孔が緊張して固まっているイメージですので、暗所ではむしろ健側の方が瞳孔は大きくなります。

明所:健側瞳孔小、患側瞳孔中
暗所:健側瞳孔大、患側瞳孔中

このように光への反応はほとんど無いのですが、近見反応に対する縮瞳は可能な点が特徴的です。

近方視をすると徐々に時間をかけて縮瞳が得られます。
これらの対光反射と近見反応のことを、対光反射-近見反応解離 light-near dissociationと呼びます。

また、輻輳で縮瞳させたあと、縮瞳が戻るのに時間がかかるのも特徴です。

その他の検査としては、低濃度ピロカルピン0.1%を点眼すると、縮瞳反応が起こります。

それでは本日はこの辺で。

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