神経眼科

眼球運動の診かた、考えかた

こんにちは!眼科医ぐちょぽいです!

本日は眼球運動について勉強していきたいと思います。 眼球運動は様々な神経眼科や斜視疾患を理解するために不可欠ですし、特に斜筋の動きに関しては苦手な方が多い分野ですので、この記事を読むだけで概要が理解できるようにしています。 最後までぜひご一読ください!

9方向眼位

9方向眼位における主な作用筋の表です。
内直筋、外直筋の動きは水平方向のみなのでわかりやすいと思います。

上下斜筋にも上下への眼球運動作用がありますが上下直筋の方が作用が強いためこの図では省いています。

眼というのはこの9方向の動きだけでなく、回旋と呼ばれる動きがありこれを主に行うのが斜筋の役割で上斜筋は内方回旋、下斜筋は外方回旋作用があります。

上下直筋の眼位による作用の違い

右眼の上直筋について考えてみます。

図のように眼窩の構造上、筋肉のついている方向よりも、23度内転した状態となっています。これを緊張性輻輳と言い、亡くなった方などではこれが無くなるのでやや外転位となります。
そして図でわかるように67度内転した場合上直筋と眼の長軸の角度が垂直となるので、この状態で上直筋が収縮すると眼の上転作用は無く、内方回旋作用が最大となります。
逆に23度外転した状態では上直筋と長軸がそろうので上転作用が最大となります。

なので最初の図で右上を見た時の右眼では上直筋がメインで使われるということになります。

斜筋と眼位による作用の違い

同様に右眼の上斜筋について考えてみると、上斜筋は眼球長軸に対して51度の角度についています。

なので51度内転した状態では上斜筋による下転作用が最大となり、39度外転した状態では内方回旋作用が最大となります。

以上のことから内下方を見ている時に上斜筋がメインで使われるということになります。

上斜筋の動きの詳細

上斜筋の動きについてもう少し深めていこうと思います。

臨床的にはあり得ませんが上斜筋だけが単独で収縮した場合には眼球はどの方向を向くでしょうか?一度考えてみてください。 即答出来ない場合にはこの記事を何度も読んでしっかり理解いただければ、斜筋に関連した疾患理解が捗ります。

答えは外下方です。

内下方だと思われた方もいらっしゃったかと思いますが、これから解説していきますので心配いりません。実は私も最近までよくわかっておりませんでした。

上斜筋の働きとして下方を向くこと、内方回旋することはイメージしやすいと思います。

外転することをイメージしやすいように、イラストを載せておきます。 斜筋は眼球の赤道部より後方に付着しているため外転が起こります。

以上をまとめると
上斜筋には外転、下転、内方回旋作用
下斜筋には外転、上転、外方回旋作用があります。

ここでややこしいのが、この記事の一番上のイラストをみてみると内下方を見ている時に上斜筋が、内上方を見ている時には下斜筋が働くとなっています。
ここをしっかりと説明してくれている本が無いので、上斜筋は内下方を見る時に使うのに外転作用?どっち?と言うふうにこんがらがってしまいます。

これを理解するために、上斜筋の23度と51度の話の絵を見直していただきたいのですが
内転した状態は上下直筋が収縮しても回旋するだけで上転下転作用は小さいです。逆に上下斜筋では上転下転作用が最も強くなります。

以上のことから眼が内転した状態で、上下を見ようとすると上下斜筋がメインで動くということになります。

まとめると上斜筋単体で収縮した際には下転、内方回旋、外転をすることにより外下方を見ますので内転作用はありません。しかし内直筋により眼が内転した状態では上斜筋の下転作用が最も強くなるため内下方を向く際には上斜筋が使われるということになります。

それでは本日はこの辺で。

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