目次
強膜化角膜とは
強膜化角膜というのは名前の通り角膜が強膜のようになってしまう先天異常です。
具体的には胎生7週頃に神経堤から角膜実質や強膜への分化が起こりますが、その際の異常により生じます。
ほとんどは散発性で両眼性です。
非炎症性、非進行性の疾患で成長による変化は認めません。
強膜化角膜の所見
出生時より角膜と強膜の境界が不明瞭で、角膜混濁を認めます。
コラーゲン線維の異常があるので混濁の程度が他の先天異常に比べて強いです。
組織的には、混濁部は太くて不規則なコラーゲン線維からなり、Bowman膜は欠損しており、Descemet膜は薄いか線維性結合組織に置き換わっています。
角膜周辺のみに混濁がある周辺型と全体に混濁がある全体型があります。
上記の画像も全体型で、写真の通り混濁が強いため前房内を見ることは難しく、角膜周辺部から中央へ伸びる血管を認めます。
強膜化角膜に合併する先天異常
以下のような様々な先天疾患を合併します。
- 扁平角膜
- 小眼球
- 無虹彩
- 隅角形成不全
- 先天緑内障
強膜化角膜の治療
唯一の治療は全層角膜移植ですが、小児では難易度が高く拒絶反応を高頻度で合併し、予後不良なことが多いため積極的に適応としていない施設も多いようで、なかなか治療は難しいようです。