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輪部デルモイドとは
輪部デルモイドは角膜輪部にできる先天性の良性腫瘍です。
皮膚組織が迷入してできる分離腫の一種で、脂肪や毛嚢や皮脂腺などを含みます。
輪部デルモイドの所見
出生時から角膜輪部に上記写真のような腫瘍を認めます。
耳下側が好発ですが、複数個あるような場合もあります。
Goldenhar症候群
輪部デルモイド、副耳、耳瘻孔の3つを合併するものはGoldenhar症候群と呼ばれます。
こちらも試験対策としても重要です。
Goldenhar症候群では顔面が非対称に低形成となっており特徴的な顔貌を示します。
他には下顎低形成や脊椎異常などを合併します。
輪部デルモイドの治療
輪部デルモイドは良性腫瘍で巨大化したりもあまりしませんが、臨床的には角膜乱視による弱視と整容面が問題になります。
角膜乱視による弱視を認めた場合には眼鏡装用やアイパッチによる治療を開始します。
手術に関しては整容面でもいじめや劣等感の原因にもなりますので就学前(5〜6歳頃)に表層角膜移植をすることが一般的です。
術後管理としては小児ではステロイドによる眼圧上昇を起こしやすいので注意が必要です。
表層角膜移植では拒絶反応の発生率が低いので眼圧上昇があればステロイドの濃度を薄くしても良いと思います。