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神経麻痺性角膜症について
神経麻痺性角膜症というのは三叉神経の障害により、角膜の障害を起こす疾患です。
三叉神経の障害により、知覚低下が起こるために角膜障害が治りにくくなるという説、三叉神経障害自体が角膜障害の原因になるのかはわかっておりません。
神経麻痺性角膜症の原因
三叉神経障害はヘルペスウイルスによるものが最も多いですが、レーシックなどの角膜手術後、薬剤毒性、糖尿病など角膜の三叉神経が直接やられるもの、脳腫瘍や動脈瘤により中枢の三叉神経がやられるものなど全てが原因となります。
神経麻痺性角膜症の症状
臨床症状は多彩ですが、角膜全体の点状表層角膜症が典型的です。
ドライアイと比べると結膜障害は軽度です。
重度になれば上皮欠損、角膜潰瘍となり最終的に角膜穿孔に至ることもあるので注意が必要です。
三叉神経障害のため、角膜上皮欠損があっても痛みをあまり訴えないことが多いです。
ですので自覚症状としては上皮障害や浮腫による視力低下や不快感などが主です。
神経麻痺性角膜症の治療
角膜障害に対する対症療法が基本です。
ベノキシールなどの点眼麻酔や、NSAIDsやβブロッカー点眼、ラクリミン点眼®でも発症することが報告されておりますので上記のような点眼を使用している場合には中止が望ましいです。
医療従事者が隠れてベノキシール点眼をしていたという報告もあるので詳細な問診が必要です。