こんにちは!眼科医ぐちょぽいです!
今日は経口抗菌薬について詳しく解説していこうと思います。
目次
眼科と経口抗菌薬
皆さん経口抗菌薬って使いますか?
白内障術後の内服、眼内炎が落ち着いた時に点滴から内服へ変更、麦粒腫、眼窩蜂窩織炎、涙囊炎などなど色々ありますが何を使っていますでしょうか?
まず経口の抗菌薬で眼科が使用するものとしてはクラビット、フロモックス、メイアクト、ケフレックス、オーグメンチン、ミノマイシン、クラリスロマイシンなどなどでしょうか?
この経口の抗菌薬では、点滴と違ってバイオアベイラビリティーというものを考慮する必要があります。
バイオアベイラビリティーについて
点滴では薬が100%血管内にいきますが内服では腸から吸収それるので一部しか血管内に入りません。ですので何%が血管内に届くのかというのがバイオアベイラビリティーです。
薬剤別バイオアベイラビリティーの一覧
薬名 | 商品名 | バイオアベイラビリティー |
セフカペンピボキシル | フロモックス | 36% |
セフジトレンピボキシル | メイアクト | 16% |
セフポドキシムプロキセチル | バナン | 46% |
セフジニル | セフゾン | 25% |
アモキシシリン | サワシリン | 90% |
セファレキシン | ケフレックス | 99% |
レボフロキサシン | クラビット | 70-99% |
ミノサイクリン | ミノマイシン | 93-95% |
メトロニダゾール | メトロニダゾール | 100% |
ST合剤 | バクタ | 98% |
文献によって数値は違うものもあるのですが、大まかにはこれで正しいと思います。
表をみていただければわかると思いますが、第3セフェムの内服抗菌薬であるフロモックス、メイアクト、バナン、セフゾンなどはいずれもほとんど血中に届かないことがわかります。
つまり腸にばっかり効いて腸内細菌を殺すけれども血中にも眼には届かないということです。眼科領域では使用される先生方は未だ多いですが、一部のドクターからはDUドラッグ(DだいたいUうんこになる)と揶揄されています。
ですので、どんな時でもこれらの抗菌薬は基本的には使用しないのが良いと思います。
逆にペニシリン系、第一セフェム、ニューキノロンなどは血中へほとんどが移行するので点滴と同等の効果が期待できます。
商品名ではケフレックス、サワシリン、オーグメンチン、クラビットなど
あとはミノマイシン、ST合剤なども血中移行は良いですね。
とりあえず上記のようなバイオアベイラビリティーの低い内服抗菌薬を使用しない眼科医が増えていただけると私は個人的に非常に嬉しいです!
それでは本日はこの辺で。