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脳回状脈絡網膜萎縮症とは
オルニチンアミノトランスフェラーゼ(OAT)遺伝子異常により高オルニチン血症を来す、常染色体劣性遺伝の疾患です。
脳回状脈絡網膜萎縮症の症状
典型例では小児期以降に夜盲で発症、脈絡膜萎縮に伴い求心性視野狭窄と視力低下を来します。成人になってから診断される症例もあり、他の合併症として高度近視、後嚢下白内障などがあります。
脳回状脈絡網膜萎縮症の検査所見
眼底所見
眼底所見では上図のように特徴的な円形、斑状の進行性脈絡膜膜萎縮を認めます。
OCT所見
OCTでは網膜外層及び色素上皮の菲薄化やEZの欠損などを認めます。
EOG所見
ERGではすべての波形でflatとなります。
EOG所見
網膜色素上皮が全体的に菲薄化しますのでEOGでL/D比の低下を認めます。
脳回状脈絡網膜萎縮症の診断
診断には採血及び尿検査でオルニチンの上昇が有用です。
遺伝子検査ではOATの異常を認めます。
オルニチンについて
オルニチンは尿素サイクルを構成する一つです。
このオルニチンが溜まってくると、本来はOATによって代謝されるのですがこの遺伝子異常によりオルニチンが貯まるのが脳回状脈絡網膜萎縮症の原因です。
脳回状脈絡網膜萎縮症の治療
治療のためには低タンパク食、オルニチンの前駆物質のアルギニンを含む食事の制限や、OATの働きを強める効果のあるビタミンB6の投与などが行われています。
ビタミンB6の投与は5%程度の症例にしか効果がありませんが、アルギニンやタンパク制限は病気の進行を抑制したとのデータがあります。