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Hess赤緑試験について

こんにちは!眼科医ぐちょぽいです!

本日はHess赤緑試験について勉強していきたいと思います。

Hess赤緑試験所見の例

第31回視能訓練士国家試験より引用

第33回視能訓練士国家試験より引用

第33回視能訓練士国家試験より引用

視能訓練士国家試験の過去問で出題されたHessの画像です。 まずは、どちらの眼のどの方向への眼球運動が出ているかを考えてみましょう。

答えは
1枚目は右眼の内転障害
2枚目は右眼の上転と内転障害
3枚目は両眼の内方回旋障害による外方回旋

1枚目と2枚目は割とわかりやすかったと思いますが最後の外方回旋はなんとなくイメージ出来ても初見だとわかりにくいかもしれません。

Hessの所見の見方

Hessでどの運動が障害されたかがわかるようになれば、次のステップとして原因はどこにあるかを考える必要があります。
大きく分けると3箇所あって、神経なのか筋肉なのか神経と筋肉の接合部なのかです。

神経の場合は動眼、滑車、外転神経の麻痺や核上性の中枢性の障害が鑑別にあがります。その場合は支配する筋肉の収縮障害が起こるので、外転障害では外転神経麻痺を考えます。

筋肉の場合は筋の炎症(甲状腺眼症、炎症性偽腫瘍、IgG4関連など)、物理的障害(眼窩底骨折による筋の嵌頓)、先天異常(brownなど)などが鑑別となり、これらの疾患では筋の伸展障害が起こることが多いので外転障害では内直筋の障害を疑います。

最後の神経と筋の接合部の障害としては重症筋無力症が挙げられますが、これは収縮障害が起こり、疲労性に症状悪化(夕方に悪化)が特徴的です。

以上のことから私はヘスを見た時の解釈としてまず初めに、神経支配に沿った筋の収縮障害が起きているか、それ以外かを確認するようにしています。

外転障害だけなら神経支配に沿いますが、1枚目のヘスのように内転障害だけでは動眼神経の障害とは考えにくいです。そして神経支配に沿わない場合には筋の障害か中枢の障害を疑います。

特に内直筋、上直筋、下直筋の全ての障害でなく1〜2個の動きだけが障害を受けている場合には重症筋無力症や甲状腺眼症などを考えます。
逆にこの3つの収縮全てが障害されていると動眼神経麻痺が疑わしいです。

動眼神経麻痺について

ここで動眼神経について軽く書きますが動眼神経は運動ニューロンの周りを副交感神経が鞘のように取り囲んでいます。ですので動脈瘤などによって外部から圧迫された場合には副交感成分のみが障害され、眼瞼下垂と瞳孔散大を認めます。
DMによる虚血性の神経障害では神経を栄養する血管の末梢、つまり神経の真ん中から障害されるため運動ニューロン障害による眼球運動障害が初発症状となります。
しかし、眼球運動障害のみで瞳孔左右差が無い例でも動脈瘤を認めた症例報告は多数あるので動眼神経麻痺を疑った場合には運動ニューロン障害だけでも必ず精査が必要です。

外転神経麻痺の鑑別

外転障害を認めた場合は外転神経障害だけで無く、様々な疾患を常に鑑別に入れる必要があるので、pseudo BCGと語呂合わせがあります。

pseudo: 炎症性偽腫瘍
B: blow out fracture
C: congenital先天性
G: Graves(甲状腺),myasthenia gravis(重症筋無力症)

ここに吹き抜け骨折が鑑別にあがっているのは、高齢者では外傷歴をよく覚えておらず、内壁骨折にともなって筋が引っかかっていることが稀にあるからです。

今回挙げた疾患の他に中枢性の障害もあります。

ちなみに最初にあげたHESSの写真の各疾患については
1枚目はMLF症候群
2枚目は過去の中枢の脳梗塞の後遺症
3枚目はV型斜視でした。

それでは本日はこの辺で。

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