解剖生理

眼窩の解剖

こんにちは!眼科医ぐちょぽいです!

本日は眼窩の解剖について勉強していきます。

眼窩は7つの骨から構成されており、専門医試験に関しても頻出ですし、眼窩底骨折の臨床にも重要ですので正確な位置関係の理解が不可欠です。

眼窩を構成する骨

私の覚え方としては
口蓋骨から時計回りに渦巻き状に

「公害状況の前に涙する市長」

  • 口蓋骨
  • 上顎骨
  • 頬骨
  • 前頭骨
  • 涙骨
  • 篩骨
  • 蝶形骨

と言うふうに暗記しています。

眼窩底骨折の際には上顎骨の内側が一番の好発部位で、二番目が篩骨の骨折になります。
特に上顎骨の骨折では眼窩下溝を通る眼窩下神経が障害されると、下眼瞼や鼻翼、口唇にしびれが起こることがあります。

これはご存知の方が多いと思いますが、眼窩底骨折において緊急手術を要するのは筋肉の嵌頓を起こした場合になります。
特に若い方の場合骨に弾力性があるので折れたあとそこに筋肉が挟まってしまいます。
その際には筋肉が挟まることにより眼球運動障害を起こすだけでなく激しい眼球運動時痛や嘔気嘔吐などが起こります。

頭部外傷後に嘔気嘔吐があった場合には脳出血などの頭蓋内圧亢進を疑いますが、頭部CTで脳出血などが無く筋の嵌頓を示唆する他の所見が無い場合でも、眼球打撲による迷走神経反射によってそういった症状が出ているだけのこともあります。

また、頭部CTの冠状断で明らかな骨折線がわかりにくくても、下直筋が完全に下方に落ちてしまっているmissing rectusとなっている場合もあるので、まずは4直筋の位置が正常か確認する癖をつけると良いと思います(意外と骨ばかり見ていると見落とします

上眼窩裂を通る神経と総腱輪について

上眼窩裂を通る主要な神経は動眼神経、滑車神経、三叉神経第一枝、外転神経があります。また上眼静脈と下眼静脈もここを通ります。

絵にはありませんが三叉神経第二枝(分枝である眼窩下神経を含む)は下眼窩裂を通ります。

さらに追加で覚えるべきなのが総腱輪の中を通るものです。
ちなみに総腱輪は4直筋と上斜筋の起始部でこのように円形になっております。

この総輪腱を通るものとして視神経、動眼神経、三叉神経第一枝、外転神経、眼動脈があります。
これは何故重要かというと例えば甲状腺眼症などで4直筋の肥大が起こった場合にこれらの神経が圧迫されることで障害を受けます。
特に視神経障害を伴う甲状腺眼症は最重症としてステロイドパルスの適応となります。

逆に滑車神経や上眼静脈は筋肥大では障害されにくいと言えます。

上眼静脈は海綿静脈洞に異常を来す疾患において血管拡張が見られるのが特徴ですが、上記のことから甲状腺眼症などでは上眼静脈のうっ血を引き起こすことは稀ということもわかります。
ちなみに上眼静脈はMRIの冠状断で上直筋と眼球の間に確認出来ますので眼球運動障害患者のMRI読影時には必ず確認する癖をつけると良いかと思います。

参考文献

眼の解剖については上記の書籍が最もまとまっており、見やすいように感じました。
ブログの内容以上に知識を深めたい方は是非ご一読ください。

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