角結膜疾患

ペルーシド角膜変性について

ペルーシド角膜変性について

角膜下方が進行性に突出、菲薄化してくる疾患で角膜の倒乱視化を来します。
発症年齢は20〜40歳くらいです。

ペルーシド角膜変性は円錐角膜と似た疾患で鑑別が必要となります。

他にも角膜周辺部に菲薄化を来す疾患として周辺部角膜潰瘍Mooren潰瘍Terrien角膜変性などの疾患とも鑑別が必要になりますのでそれぞれの特徴と後発部位、鑑別点などまとめて整理しておくと良いと思います。

ペルーシド角膜変性と円錐角膜の鑑別

主要な鑑別点

違いとしては円錐角膜では中央部の突出と菲薄化を起こすのに対して、ペルーシド角膜変性では下方に起こすこと。
また円錐角膜が思春期発症に対して、発症年齢がやや遅めなことが挙げられます。
同じ点としては、HCLの処方を行うこと、急性水腫を起こすと混濁を生じることなどです。

検査による鑑別点

円錐角膜とペルーシド角膜変性症の鑑別には角膜形状解析が有用で、カラーコードマップでは角膜中央に縦の低屈折(青色)の部位があり、その周りを下から囲むように高屈折(赤色)の部位が存在します。

ペルーシド角膜変性の角膜形状解析所見は蟹の爪のように見えるのでcrab claw appearanceと呼ばれて特徴的です。

ペルーシド角膜変性と周辺部潰瘍の鑑別

ペルーシド角膜変性症は下方角膜の菲薄化を来すために、Terrien角膜変性やMooren潰瘍との鑑別が必要です。

一番の違いとしてはペルーシド角膜変性は非炎症性の疾患という点です。
Mooren潰瘍では炎症や充血が強く、上皮欠損を伴いますがペルーシド角膜変性ではこれらの所見は認めません。
Terrien角膜変性もほとんど炎症はありませんが、脂肪沈着や偽翼状片、血管侵入などを菲薄化部位に認めることから鑑別できると思います。

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