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中心フリッカー検査(CFF)とは
中心フリッカー検査というのは基本的には視神経の異常を調べる際に行う検査です。
具体的な検査としては、上記検査器具を片眼で覗き込んでもらって、一定の速度で点滅する光を見てもらいます。
点滅の速度を徐々に上げていき、点滅が認識できなくなった所を検査結果とします。同様に点滅がわからない速度からはじめて、点滅が認識出来るようになった所を検査結果とします。
これらの検査結果はHzで表し、35Hz以上が正常です。
ちなみに検査を行うためには0.05以上の視力が必要と言われます。
中心フリッカー検査(CFF)の原理
中心フリッカー検査(CFF)ではなぜ50Hz以上の速い点滅は通常認識出来ないのでしょうか?
それは不応期の存在があるからです。
不応期というのは神経が刺激を受けて活動電位が発生した後、一定期間次の刺激に反応出来ない期間のことをいいます。
そして不応期の長さは神経の伝導速度に依存します。
つまり正常の視神経では40Hz以上の速さの刺激には不応期のせいで反応できません。
中心フリッカー値(CFF)の低下する疾患
視神経炎や視神経症など、視神経の障害がみられる疾患でフリッカー値の低下が起こります。
視神経炎では神経の脱髄が起こることで視力障害が起こります。
神経というのは髄鞘の間を飛び越えていく跳躍伝導で刺激が伝わるので、脱髄が起こると神経伝導速度が遅くなり、それに伴い不応期の延長が起こることでフリッカー値の低下が起こります。
基本的にフリッカー値の低下がみられた場合には視神経障害を示唆しますが、錐体ジストロフィなど網膜の錐体細胞が障害される疾患でもフリッカー値が低下します。
なぜならフリッカー刺激のような速い刺激は杆体細胞では認識することができず、主に錐体細胞で認識するからです。
ERG検査でもフリッカー刺激がありますが、上記と同様の理由で錐体細胞機能をみる検査になります。