解剖生理

網膜の解剖

網膜の解剖について

網膜は10層から構成されており、全ての層の名前をただ覚えるだけでなく、シェーマを書いてどの層がどのようにつながっているかを理解することで、今後様々な疾患や検査の意味を理解するのに役立ちますので早い段階で理解するのが良いと思います。

網膜10層の解剖と対応するOCT所見

まずは上記シェーマを見てください。10層の大まかな構造とそれに対応するOCT所見を右に描きました。

臨床でOCT画像を見るときも、ぼんやりとOCTを見るのでは無く、網膜の構造や各疾患の病態を意識して見ることが出来ると得られる情報量は爆発的に増加します。

例えば緑内障は網膜の神経節細胞がやられることで視野障害が起こる病気で、OCTではGCC(神経線維層+神経節細胞層+内網状層)の厚さで評価します。
シェーマを見ていただくと神経節細胞がこの3層にまたがって存在しているのが分かると思います。

網膜中心動脈閉塞症(CRAO)の急性期では虚血により神経節細胞の浮腫が起こります。
そういう目でOCTを見ていただくと神経節細胞がある層に浮腫が起こっていると思います。


また、裂孔原生網膜剥離の場合では黄斑部に剥離が及んだ場合に視力が低下します。

しかし黄斑部の網膜が剥離するだけでは視力低下は起こりません。中心漿液性脈絡網膜症の症例では黄斑剥離を起こしても矯正視力1.0ある例が多数あります。

ではなぜ視力が下がるかというと裂孔原生網膜剥離による黄斑剥離では外顆粒層の障害が起きているからです。おそらくここにある桿体と錐体細胞が障害を受けることにより視力低下が起きると思います。
実際剥離の際の視力低下と外顆粒層の厚みに相関があるという報告もあります。

同じように黄斑部に網膜剥離を認める中心性漿液性網脈絡膜症(CSC)の場合は外顆粒層の異常が無く網膜の構造は保たれているため、漿液性網膜剥離があっても矯正視力1.0出る場合があります。

foveal bulgeについて

シェーマを見ていただくとわかるように桿体と錐体細胞を見比べると錐体細胞の方が桿体よりも短いです。
しかし、黄斑部に存在する錐体細胞は特殊で桿体と同じような形をしておりrod-like-coneと呼ばれます。
これによりElipsoid zoneが黄斑部だけ少し盛り上がっており、ここをfoveal bulgeと呼びます。

VOやCSCなどの治療後にElipsoid zoneが保たれており網膜構造も改善していても視力が出ない症例などではfoveal bulgeの盛り上がりが消失していることがあります。

参考文献

網膜の解剖を覚えるにあたり、OCTやERG所見についても一緒に理解することで効率よく疾患知識を深めることが出来ます。
こちらの書籍が最も上記がまとまっているように感じました。

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