解剖生理

涙道の解剖

涙道の解剖図

涙点

上下眼瞼の内眼角から6〜6.5mm位置にあります。
涙小管炎では涙点の拡張や発赤腫脹を認めるのが特徴です。

涙小管

涙点部からまず垂直部があり、その後水平部、総涙小管へと至ります。
内径は0.5〜0.7mm程度で、内腔は重層扁平上皮から成ります。
垂直部の長さは2mm、水平部の長さは10mm程度。
総涙小管部の内径は0.9〜1.2mmで、涙嚢体部へ開口します。

涙嚢

長さ約10mm、奥行き7〜8mm、幅は1〜2mm
内壁後壁は骨外壁前壁は眼窩隔膜・眼輪筋・内側眼瞼靭帯に包まれており、上皮は多列円柱上皮胚細胞で構成されています。
涙点から涙嚢鼻側壁までの距離は12〜16mmで、平均14mm程度です。

鼻涙管

涙嚢から膜性鼻涙管、鼻涙管下部開口部へとつながっています。そして膜性鼻涙管上部は涙骨と上顎骨で構成されている骨性鼻涙管で覆われています。書籍によっては涙嚢と骨性鼻涙管がつながっており、膜性鼻涙管へとつながるような記載となっているものがありますがそれは誤りですので注意が必要です。


鼻涙管の全長は17mm
涙点から鼻涙管下部開口部までの距離は30〜45mmと個人差が大きいです。
涙道に排出された涙液のうち90%は鼻涙管で吸収され、残りは10%が鼻腔へ排出されます。

涙道の解剖系は専門医試験でも長さなどが細かく問われることがありますが、ブジーや涙道手術においてどれぐらい涙小管内を進むと涙嚢内へ至るかなどは臨床的にも非常に大切なので出題されています。このあたりは自分の顔である程度の距離をイメージしながら覚えるとよかと思います

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