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HTLV-1とは
HTLV-1は成人T細胞白血病(ATL)やHTLV-1関連脊髄炎(HAM)を発症しますが、感染キャリアの殆どは一生キャリアのままで上記を発症しないことも多いです。
感染は垂直感染、母乳を通じての感染などが有名です。
HTLV-1キャリア患者では甲状腺機能亢進症を合併することがあるので甲状腺機能も調べておくと良いと思います。
ちなみに甲状腺疾患を合併する他の眼疾患としては視神経脊髄炎が挙げられます。
視神経脊髄炎では甲状腺関連の抗体陽性を認める確率が高く、甲状腺機能亢進、低下症どちらも合併し得ます。
他にも、上輪部角結膜炎でも合併しますので合わせて覚えておくと良いと思います。
HTLV-1関連ぶどう膜炎(HAU)について
HAUは原因不明のぶどう膜炎に対して、網羅的な採血が行われた際にHTLV-1感染が見られた際に診断されます。
しかし、上記の通りHTLV-1キャリアだったとしてもHAUやHAMを発症しない例が多数のため、別の原因のぶどう膜炎があり、たまたまHTLV-1のキャリアでもあったという場合もありますので注意が必要です。
「HTLV-1陽性=他のぶどう膜炎では無い」ということにはなりませんのであくまで除外診断ということを忘れないようにしてください。
HTLV-1関連ぶどう膜炎(HAU)の所見
特徴としては前眼部炎症は比較的軽度で、肉芽種性ぶどう膜炎様のKPを認めますが、サルコイドーシスなどのKPと比べると小さいです。
また瞳孔縁にKoeppe結節をみることがありますが、Busacca結節や隅角結節をみることはありません。
結節はリンデロン点眼が入るだけですぐに消えるので注意してみるクセをつけると良いと思います。
虹彩後癒着やPASを起こすのは稀です。
後眼部には軽度から中等度の硝子体混濁を認めます。
典型例では顆粒状の硝子体混濁を来し、網膜表面や血管にも白色顆粒が付着していることがあります。
炎症が強い例では白鞘を血管に認めることもあります。
HTLV-1関連ぶどう膜炎(HAU)の治療
ステロイド治療を行います。
治療反応性は良好です。