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小口病とは
小口(おぐち)病は先天性停在性夜盲の一つで、若い時から夜盲を訴える疾患です。
日本人の小口忠太先生が発見した疾患で、発見当時小口先生は31歳だったとのことです。
小口病の症状
典型例では若い時から夜盲を訴えますが、自覚症状が軽い例も多いので検診で眼底を見てたまたま発見される例も多くあります。
小口病の遺伝形式
常染色体劣性遺伝です。
小口病の検査所見
眼底所見
眼底は金箔様と呼ばれる特徴的な反射が見られるのが特徴です(tapetal-like reflex)。
金箔様眼底については個人差が大きく、全体に認める例の他にも局所のみであったり網膜の一部に変性を伴う例もあります。
そしてこの金箔様反射は3時間程度の長時間の暗順応にて金箔様の反射が無くなるのが特徴的で、これを水尾・中村現象といいます。
ERG所見
ERGでは桿体反応が消失、フラッシュではa波が減弱して陰性型となります。一方錐体反応は正常です。
ちなみにERG所見も眼底と同様に、3時間程度の暗順応をすることで桿体反応の改善も見られます。
小口病の治療
停止性の夜盲で視力、視野も良好なので特に治療は必要ありません。
専門医試験対策
小口病は日本人の名前がついており、暗順応で金箔反射が減少する現象にも日本人の名前がついているので試験でも問われやすいと思いますので覚えておきましょう。
停止性夜盲をきたす疾患はどれかを選ばせるような問題では既に勉強した小口病や白点状眼底をしっかり選べる様に一緒に覚えておくと良いと思います。