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散弾状脈絡膜網膜症(Birdshot chorioretinopathy, BCR)について
散弾状脈絡膜網膜症は両眼眼底に白点を認める白点症候群の一つで中高年の白人に好発で、やや女性に多い疾患です。
殆どの患者でHLA-A29陽性ですが、日本人では少ないです。
散弾状脈絡膜網膜症(Birdshot chorioretinopathy, BCR)の症状
症状は両眼性の霧視や飛蚊症を認めます。
散弾状脈絡膜網膜症(Birdshot chorioretinopathy, BCR)の所見
細隙灯検査所見
前眼部炎症所見は無しか、あっても軽度です。
眼底所見
両眼に1/2〜1/4乳頭径の黄白色滲出斑が両眼対称性に見られるのが特徴です。
滲出斑は次第に瘢痕病巣となります。
FAG所見は早期から後期まで白斑部分は過蛍光となります。この点でAPMPPEと鑑別できます。
またIAでは白斑が低蛍光となります。
OCT所見
OCTでは白斑部分に一致してEZの欠損を認めます。
散弾状脈絡膜網膜症(Birdshot chorioretinopathy, BCR)の治療
治療のためにはステロイドの全身投与が基本ですが、長期の治療が必要となることが多く、免疫抑制剤などの併用が必要になる症例もあります。
散弾状脈絡膜網膜症(Birdshot chorioretinopathy, BCR)の鑑別疾患
鑑別疾患としてはAPMPPEや他の白点症候群だけでなく、サルコイドーシスなどのぶどう膜炎でも良く似た所見となるので注意が必要です。
他には梅毒や結核のぶどう膜炎は症状は何でもありなので常に意識しておくべきなのと、ステロイドへの治療反応性が悪い場合には悪性リンパ腫も考慮します。