目次
帯状角膜変性とは
Bowman層から角膜実質浅層にリン酸カルシウムが帯状に沈着する疾患です。
帯状角膜変性の原因
全身性
- 慢性腎不全
- 高カルシウム血症(副甲状腺機能亢進症など)
- 悪性腫瘍の骨転移
- ビタミンD中毒
眼科疾患
- ぶどう膜炎
- 緑内障術後
- シリコーンオイル挿入眼
- 重症ドライアイ
特に小児の場合にはぶどう膜炎に伴って認めることが多い印象です。
帯状角膜変性の症状
自覚症状としては初期はほとんどありませんが、進行すると結膜充血、異物感、視力低下などを訴えるようになります。
帯状角膜変性の所見
角膜へのカルシウム沈着は主に瞼裂部に起こることが多く、3時9時の混濁から始まります。
そして徐々に混濁が中央部まで帯状に進展すると帯状病変となります。
高カルシウム血症のみでなく、高リン血症でも帯状角膜変性を引き起こしますので、原因精査のためには採血で電解質異常の有無、腎不全の精査を行う必要があります。
帯状角膜変性の治療
治療は、カルシウム、リン代謝異常がある場合はその是正が必要です。腎不全があり、腎移植後に帯状角膜変性が消失することもあります。
視力障害が強い場合には外科的治療を考慮します。
リン酸カルシウムは角膜表層に沈着していますのでエキシマレーザーによるPTKが行われます。
他の治療としては1%塩酸による混濁部の擦過やEDTAを用いたキレート療法などが有効です。