目次
再発性角膜びらんとは
何らかの原因で角膜上皮の障害が起こった後に、角膜上皮剥離を繰り返す疾患です。
再発性角膜びらんの症状
朝起きた時に激しい眼痛や流涙が生じるのが特徴的で、過去に角膜の外傷歴があることが多いです。
再発性角膜びらんの原因
角膜の外傷とそれ以外に分けられます。
外傷
外傷によって角膜上皮剥離を起こした歴のある患者では一度剥がれた上皮の接着が悪くなっており上皮剥離が再発しやすくなります。
外傷の原因は紙や爪などが多いです。
広義の外傷としては硝子体手術時に上皮欠損を作成した後から再発性角膜びらんとなることもあります。
外傷以外の原因
- 糖尿病
- 格子状角膜ジストロフィ
- 上皮基底膜ジストロフィ(map-dot-fingerprint corneal dystrophy)
- 水疱性角膜症
糖尿病
糖尿病では角膜知覚の低下や上皮の再生能力の低下などが原因となります。
前述の硝子体手術では特にDM患者では上皮剥離を作成すると遷延性上皮欠損となることもあるので注意が必要です。
角膜ジストロフィ
格子状角膜ジストロフィと上皮基底膜ジストロフィに関しては角膜上皮基底細胞と基底膜の間の接着障害が原因と考えられており、再発性角膜上皮剥離も両眼性に起こることもあります。
再発性角膜びらんの治療
抗菌点眼や夜間眠前に眼軟膏などを使用します。
上皮剥離による疼痛が生じてから受診するまでの間に治ってしまうこともあり、病院へ行くたびに異常所見が無くてただの不定愁訴として扱われてしまう患者さんもいるようなので、病歴から疑わしければ夜間タリビッド軟膏の治療など検討してもよいと思います。
ちなみに難治性で繰り返すようなら角膜掻破や角膜穿刺も有効です。