ぶどう膜炎

ぶどう膜炎総論

ぶどう膜について

そもそもぶどう膜というのは眼の中で最も血管が豊富な組織です。
血流が豊富なため血流から感染が起こったり、免疫細胞によって自己免疫疾患が引き起こされたりすることでぶどう膜炎は起こります。

ぶどう膜炎の鑑別

ぶどう膜炎は診断が難しい印象があると思います。
その原因には様々な原因疾患があることと、確定診断が難しいことが挙げられます。
さらに専門家による精査でも30%程度は原因不明です。

しかし現病歴や年齢や性別、発症部位や所見からある程度は絞り込むことが出来るので典型的な所見を一つずつ覚えていくことで一歩ずつ診断に近づくことができます。

年齢と性別による鑑別

年齢や性別からある程度鑑別を絞ることが可能です。
例えばベーチェットは若い男性に多いです。
またサルコイドーシスは20歳と60歳にピークがあり、20歳は女性に多く、60歳は性差はありません。

両眼性か片眼性か

両眼性や片眼性かだけでもある程度鑑別できます(片眼性と思っていたら両眼性の初期症状として片眼にだけでている場合もありますが)。
全てに当てはまるわけではありませんが、両眼性の場合は自己免疫性疾患(サルコイドーシスや原田病など)、片眼性の場合は感染性(眼内炎やヘルペスなど)が多いとまず覚えておくと良いと思います。

肉芽腫性か比肉芽腫性か

よく鑑別として挙げられる肉芽腫性か非肉芽腫性かということについてです。
肉芽腫性の場合はマクロファージやリンパ球が炎症の主体で、細胞は集まっていく傾向になります。
非肉芽腫性では好中球が主体の炎症で、細胞は集まらずにバラバラになる傾向にあります。

肉芽腫性の代表としてサルコイドーシス
非肉芽腫性の代表としてベーチェットを考えてみます。

角膜後面沈着物について

角膜後面沈着物については、ベーチェットでは非肉芽腫性のため細胞が集まらないために、非常に小さなfine KPのような形になります。
サルコイドーシスでは肉芽腫のためKPも固まっていき、重力に従って下方に特にKPがみられます。これがいわゆる豚脂様KPです。

前房蓄膿について

前房蓄膿に関してはベーチェットではサラサラというのが有名ですが、これも好中球主体のため細胞が固まったりせずにさらさらになっています。
(眼内炎や感染性角膜潰瘍の場合は好中球だけでなくフィブリンも沈着するのでさらさらな前房蓄膿とはなりません)。

眼底所見

ベーチェットではいわゆるシダ状といわれる所見で、全体的にびまん性に漏出があります。
サルコイドーシスでは肉芽腫性のため全体的にびまん性ではなく強いところと弱いところがありまだらに過蛍光となります。
さらにサルコイドーシスでみられる下方の雪玉状混濁などもマクロファージにより細胞が塊を作ることで発生します。
また、塊になると重くなるので重力に従って下方によくみられます。

ですのでサルコイドーシスを疑う際には必ず網膜の下方をしっかりと見る癖をつける必要があります。

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