視能訓練士国家試験解説

視能訓練士国家試験 第56回 午前 過去問解説

2026年2月に行われた第56回視能訓練士国家試験、午前75問の解答と解説です。

最初の5問は書籍『第56回視能訓練士国家試験問題解説』と同じフル解説、6問目からは答えと要点だけを載せています。全150問を選択肢1つずつ検討した解説、別冊の画像26問の読み方、描き下ろした図は書籍のほうにまとめました。まず5問を読んでみて、この調子で続きも読みたいと思っていただけたら覗いてみてください。

『第56回視能訓練士国家試験問題解説』の表紙

問題文と別冊の画像は厚生労働省のページから見られます。午後75問の解説はこちらです。

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

目次

1問:色覚異常の遺伝

答えは解なし(採点除外)

この問題は採点除外です。覚えるのは次の2点だけで、あとは考え方の練習として読んでください。

  • 男性のX染色体は必ず母親由来。父から息子へX染色体は渡らない
  • 選択肢の中でいちばん可能性が高いのは母方の祖父だが、祖母由来の可能性も残るので一人には決められない

先天赤緑色覚異常は、X連鎖潜性(劣性)遺伝です。原因遺伝子がX染色体にあるため、X染色体を1本しか持たない男性は、その1本が異常なら必ず発症します。

この男性のX染色体は必ず母親由来です。父から息子にはY染色体しか渡りません。つまり母親は異常なX染色体を少なくとも1本持っています。

X連鎖潜性(劣性)遺伝のシェーマ

ここで、選択肢の全員に発症の可能性が「ゼロ」というわけではありません。色覚異常は一般集団にもある程度いるからです。問題が聞いているのは「一番可能性が高いのは誰か」です。

母親はもう1本のX染色体が正常なら発症せず、保因者にとどまります。妹が異常なX染色体を母親から受け取る確率は2分の1で、受け取っても父親由来のX染色体が正常なら発症しません。父親・父方の祖父からはX染色体を受け継いでいないので、この男性の色覚異常とは無関係です。

母方の祖父はどうでしょう。母親の2本のX染色体は祖母・祖父から1本ずつです。異常な1本が祖父由来なら、祖父は男性でX染色体が1本しかないため必ず発症しています。つまり「自分が発生源なら必ず自分も発症している」立場にあり、選択肢の中では母方の祖父が一番可能性が高いことになります。

ただし異常なX染色体の出どころが祖母だった可能性も残るため、母方の祖父も「必ず発症している」とは言い切れません。一人に絞れないので採点除外となりました。

2問:疾病の要因

答えは3

疾病の要因は「内因」と「外因」の2つに分けられます。外因は体の外から受ける影響、内因は体の中にもとからある要因です。

外傷や感染は、明らかに体の外から受ける影響なので外因です。過食や過労も、生活習慣という外からの影響なので外因に入ります。それに対して加齢は、体の中で自然に起こる変化なので内因にあたります。したがって、加齢が答えです。

3問:眼底検査

答えは5

高血圧・糖尿病は、眼底の血管の変化(高血圧性網膜症・糖尿病網膜症)を見ることで全身の状態を知る手がかりになります。緑内障は視神経乳頭の形(陥凹の大きさなど)を見て診断します。回旋斜視も、眼底写真で視神経乳頭と黄斑の位置関係を見ることで斜視の回旋のずれを評価できます。

一方、先天色覚異常は網膜の中の色を感じる細胞(錐体)の機能の異常であり、見た目(形)には異常が出ません。そのため眼底写真をいくら見ても、色覚異常があるかどうかは分かりません。色覚異常の診断には石原色覚検査表などの色覚検査が必要です。

4問:右視索障害

答えは2

視索が障害されたときの視野欠損

視索が障害されると、左同名半盲が起こります。視交叉より後ろの経路では、左右の眼それぞれの「視野の左半分」を感じる線維がまとまって右側を通るようになるためです。左右の眼で同じ側(左側)が同時に欠けるので「同名」、視野の半分が欠けるので「半盲」です。

視放線の障害では4分の1だけが欠け、後頭葉の障害では黄斑回避を伴うことがあります。選択肢1の右眼全盲は、視神経の障害、つまり視交叉より手前の病変で起こります。選択肢5の両耳側半盲は、視交叉そのものの障害で起こり、下垂体腫瘍などが原因になります。どちらも視索障害とは別の場所です。

5問:網膜の10層構造

答えは3

網膜10層の構造

網膜は外側(脈絡膜側)から内側(硝子体側)に向かって、10層に分かれています。外側から順に並べると、色素上皮層、視細胞層(錐体・杆体)、外境界膜、外顆粒層、外網状層、内顆粒層、内網状層、神経節細胞層、神経線維層、内境界膜、となります。

この並び方どおりになっているのは選択肢3だけです。他の選択肢はどれも順番が入れ替わっています。10層すべてを順番どおり言えなくても、この問題は「視細胞のすぐ外に色素上皮、すぐ内に外境界膜」という3つの並びだけで切れます。

—

ここまでが書籍の解説です。以降は答えと要点のみを載せています。

全150問について選択肢を1つずつ検討した解説、別冊の画像26問の読み方、そして文章では伝わりにくいところに描き下ろした図は、書籍『第56回視能訓練士国家試験問題解説』(Kindle・ペーパーバック)に収録しています。

—

6問:物体失認

答えは3

見ても何か分からないが、触ったり嗅いだりすれば分かるのが物体失認です。顔だけ分からないのは相貌失認、位置関係が分からないのはバリント症候群、文字だけなら失読。

7問:副作用

答えは5

副腎皮質ステロイド薬は後嚢下白内障(ステロイド白内障)を起こします。点眼でも内服でも起こるので、長期使用中は定期的な確認が必要です。

8問:涙液層

答えは5

涙の検査は「量」と「質(安定性)」に分かれます。綿糸法・Schirmer・メニスカスは量、安定性を直接みるのはBUTだけです。

9問:健康寿命

答えは1

健康寿命は「日常生活に制限のない期間」で、平均寿命より短く、その差は男性で約9年、女性で約12年あります。等しくはなりません。

10問:アイフレイル

答えは1, 2

アイフレイルは加齢で目の働きが衰える状態です。加齢で頻度が上がる白内障と緑内障が該当し、感染・自己免疫・遺伝が主役の疾患は含みません。

11問:Sagging eye syndrome

答えは4

加齢でLR-SRバンドが弱って外直筋が下へずれ、外方回旋が起こります。水平方向はむしろ内斜視で、複視は近見より遠見で強くなります。

12問:AC/A比

答えは1

AC/A比は調節1Dあたりの調節性輻輳量なので、単位は輻輳のΔを調節のDで割ったΔ/Dです。正常値は4Δ/D前後。

13問:眼鏡レンズの特性

答えは1

Abbe数は色収差の起こりにくさを表す数値で、大きいほど色収差は小さくなります。選択肢1は逆になっています。

14問:円柱レンズの軸ずれと残余乱視(計算問題)

答えは5

残余乱視=2×元の乱視度数×sin(ずれ角)。2×1.50×sin30°=1.50Dで、30°ずれると矯正効果はほぼ失われます。

15問:コンタクトレンズと眼鏡の頂点間距離換算(計算問題)

答えは3

凹レンズは角膜から離れるほど効きが弱くなるので、眼鏡は度数を強くします。−6.00/(1+0.012×(−6.00))≒−6.47Dで−6.50D。

16問:低照度下で増大するもの

答えは2, 5

暗いところでは光を集めようとして瞳孔が大きくなり、暗順応で光覚感度が上がります。フリッカ値・コントラスト感度・赤の視感効率は下がります。

17問:単眼鏡の倍率(計算問題)

答えは3

望遠鏡型の倍率=対物レンズの焦点距離÷接眼レンズの焦点距離。15÷5=3.0倍です。

18問:薄暮時の標識の見え方

答えは1

薄暮では杆体が主役になり感度のピークが青緑側へ移ります(Purkinje移動)。赤い標識が暗く、青系の標識が明るく見えます。

19問:近見反応に関係する用語

答えは4

輻輳けいれんでは輻輳と調節が過剰に働くので近視化します。「遠視化」としている選択肢4が誤りです。

20問:下斜筋の作用

答えは4

視軸と筋の走行が一致する眼位で上下作用が最大になります。直筋は23°外転位、斜筋は51°内転位です。

21問:視能訓練士の資格制度

答えは3, 5

視能訓練士は名称独占(業務独占ではない)で免許の更新もありません。視能訓練士法により、保助看法にかかわらず診療の補助を行えます。

22問:ETDRSチャート

答えは2

文字を読ませるETDRSチャートは最小可読閾。切れ目を見分けるランドルト環は最小分離閾です。対にして覚えます。

23問:検影法

答えは4

屈折異常が強いほど反射光が広がり、検者に届く光が減って暗く見えます。選択肢で強い屈折異常は強度遠視だけです。

24問:Humphrey視野計

答えは4

標準視標(GoldmannⅢ)の面積は4mm²です。感度と閾値は逆の関係、dBが大きいほど視標は暗く、10-2は半径10°の範囲。

25問:先天色覚異常の確定診断

答えは4

スクリーニングは仮性同色表、重症度はパネルD-15、型の確定はアノマロスコープです。ランタンテストは実務適性をみる検査。

26問:Worth4灯試験

答えは1

5灯すべて見えているので抑制はなく、赤が左・緑が右の同側性複視で内斜視と一致します。ずれ方が眼位と合っているので正常対応です。

27問:瞼裂幅

答えは2

Horner症候群では交感神経支配のミュラー筋が上下とも弱り、上眼瞼が下がり下眼瞼が上がって、上下から挟むように瞼裂が狭くなります。

28問:身体表現性障害の検査順序

答えは1, 2

シクロペントラートは調節麻痺と散瞳を起こすので、点眼前に済ませるべきなのは調節検査と瞳孔検査です。

29問:POMR

答えは3

POMRはProblem Oriented Medical Record(問題志向型診療記録)。PはProblemです。記録形式のSOAPとは別物。

30問:検者の視度調節が不要な機器

答えは4

検者が接眼レンズを覗く機器では視度調節が必要です。大型弱視鏡は患者が鏡筒を覗き、検者は外から操作するだけなので不要です。

31問:クロスシリンダの読み取り

答えは1

赤い点の並ぶ軸がマイナス側、黒(白)い点の並ぶ軸がプラス側です。赤が180°、黒が90°なので、cyl+1.00D 90°/cyl−1.00D 180°。

32問:オキシブプロカイン塩酸塩

答えは4

点眼の局所麻酔薬で、角膜知覚を一時的に低下させます。散瞳・眼圧下降・抗炎症作用はなく、反射性の涙はむしろ減ります。

33問:大型弱視鏡で一眼遮閉して行う検査

答えは1

立体視・網膜対応・融像はいずれも両眼同時に使う検査です。κ角だけが片眼ずつ測る光学的な指標なので、一眼遮閉で行います。

34問:頭部傾斜と眼球の生理的回旋

答えは3

頭の傾きと反対向きに眼球が回旋します。左に傾けると右眼は外方回旋、左眼は内方回旋。Bielschowsky頭部傾斜試験の土台です。

35問:動脈瘤による動眼神経麻痺

答えは3

副交感神経線維は動眼神経の表面を通るため、動脈瘤の圧迫でまず障害され、瞳孔不同(anisocoria)が出ます。糖尿病では瞳孔は保たれやすい。

36問:機能弱視の評価

答えは2

弱視は「矯正しても視力が出ない」状態なので、評価に使うのは矯正視力です。裸眼視力は単なる屈折異常でも下がります。

37問:片麻痺のある患者の誘導

答えは解なし(採点除外)

歩行介助は患側(この患者では左側)に立つのが基本で、右側に立つ選択肢3も誤りです。全選択肢が誤りとなり、採点除外になりました。

38問:プリズムジオプターの定義(計算問題)

答えは1

プリズムジオプターは「1m先で1cmずれる強さ」が1Δという定義そのものです。計算は要りません。

39問:ERGの読み取り

答えは1, 4

杆体応答がほぼ平坦で消失し、最大応答の律動様小波も減弱しています。b波がa波より小さい陰性型で、網膜内層の障害を示します。

40問:近視眼の調節力(計算問題)

答えは1

2.00Dの近視なら遠点は50cm。近点も同じ50cmということは、調節してもピントを近づけられていないので調節力は0Dです。

41問:限界フリッカ値に影響しないもの

答えは4

限界フリッカ値は網膜に届く光量と神経の伝達を反映します。加齢・縮瞳・疲労・過熟白内障で低下し、軽度近視は影響しません。

42問:偽斜視の原因

答えは1, 4

眼瞼下垂は瞳孔の上が隠れて上転して見え、牽引乳頭は黄斑がずれてκ角が変わるため、実際の眼位は正常でも斜視に見えます。

43問:斜視弱視の特徴

答えは1, 4

斜視弱視は片眼性で、固視異常(不安定固視・偏心固視)と読み分け困難を伴います。屈折異常が原因なのは屈折異常弱視・不同視弱視です。

44問:羞明を伴う色覚異常

答えは5

杆体1色覚は錐体がほとんど働かず杆体だけで見るため、明るい光に対応できず強い羞明が出ます。視力低下や眼振も伴います。

45問:虚性暗点

答えは1

自覚できるのが実性暗点、視野検査で初めて見つかるのが虚性暗点です。緑内障の暗点は自覚しにくく、虚性暗点の代表です。

46問:外分泌腺が関連する疾患

答えは1

霰粒腫は外分泌腺であるマイボーム腺が詰まって起こります。甲状腺眼症は内分泌腺への自己抗体で、外分泌腺は関係しません。

47問:甲状腺眼症で障害されやすい筋

答えは2

炎症で筋が腫れて伸びにくくなるので、その筋自身の動きではなく反対方向が制限されます。最も障害されやすいのは下直筋で、上転が制限されます。

48問:兎眼の原因

答えは2, 3

甲状腺眼症は眼球突出でまぶたが覆いきれなくなり、顔面神経麻痺は眼輪筋が動かせなくなります。どちらもまぶたが閉じきりません。

49問:麦粒腫

答えは5

麦粒腫は急性の化膿性炎症で、原因菌は黄色ブドウ球菌が最多です。無痛性の硬結・慢性肉芽性炎症は霰粒腫の特徴。

50問:強度近視の合併症

答えは4

眼軸が伸びて網膜・脈絡膜が引き伸ばされ、近視性黄斑変性などの黄斑変性が起こりやすくなります。網膜剥離や緑内障も増えます。

51問:抗VEGF薬の適応

答えは2, 4

新生血管や黄斑浮腫にVEGFが関わる加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫が適応です。黄斑円孔・網膜色素変性・網膜中心動脈閉塞は適応外。

52問:原発閉塞隅角緑内障

答えは3

トロピカミドで散瞳すると虹彩が盛り上がって隅角をふさぎ、急性緑内障発作の契機になります。女性・高齢者に多く、最多の病型は正常眼圧緑内障。

53問:硝子体出血の原因

答えは3

増殖糖尿病網膜症では壁のもろい新生血管が生えて破れます。黄斑円孔・黄斑上膜・網膜色素変性・中心性漿液性は血管の異常を伴いません。

54問:交差固視

答えは1, 4

乳児内斜視は斜視角が大きく、反対側の眼を内転させて見るほうが楽なので交差固視が起こります。眼振阻止症候群も輻輳のため内斜視の形をとります。

55問:潜伏眼振

答えは2

先天眼振の緩徐相は速度増加型ですが、潜伏眼振は速度減弱型です。乳児内斜視・交代性上斜位との合併と、Alexanderの法則もあわせて覚えます。

56問:麻痺性斜視に対する衝動性眼球運動訓練

答えは3, 5

素早く大きく動かす訓練で、麻痺筋の筋力回復と拮抗筋の拘縮予防を狙います。開瞼下で行い、働きかけるのは速筋線維です。

57問:不同視弱視の視能訓練

答えは2

完全屈折矯正が先、健眼遮閉は後です。長すぎる遮閉は健眼の遮閉弱視を招くので、時間は長いほどよいわけではありません。

58問:遠視の矯正で斜視角が改善した幼児期内斜視

答えは4

遠視の眼鏡だけで斜視角が大きく改善するのは調節性内斜視(屈折性)です。二重焦点眼鏡が効くのは非屈折性(輻輳過多型)で、今回は適応外。

59問:重症筋無力症の検査所見

答えは3

ragged red fiberは慢性進行性外眼筋麻痺の所見です。重症筋無力症は日内変動があり、アイステスト・テンシロン試験で改善、牽引試験は陰性。

60問:先天眼振

答えは4

先天眼振には揺れが最小になる静止位があり、そこから離れるほど振幅が大きくなります。共同性で、固視しようとすると強くなります。

61問:ロービジョンケアで必要でない道具

答えは5

NDフィルタは光量を均等に落とすフィルタで、心因性視力障害の検査などに使う道具です。生活を支援するロービジョンケアの用具ではありません。

62問:長眼軸長が原因となるもの

答えは4

強度近視で眼球が伸び、上直筋と外直筋のすき間から後極部が脱臼して固定されるのが後天固定内斜視です。加齢が原因のSagging eyeとは別物。

63問:プリズム療法の目的でないもの

答えは5

プリズムでできるのは見かけの視線をずらすことです。恒常性外斜視の整容的な改善には、実際に眼位を変える斜視手術が必要になります。

64問:側方視でみられる眼球後退

答えは4

Duane症候群では外直筋が動眼神経に支配され、内転時に内直筋と外直筋が同時に縮むため、眼球が眼窩に引き込まれて瞼裂も狭くなります。

65問:先天内斜視の特徴

答えは5

定義は生後6か月以内の発症です。斜視角が大きく弱視を合併しやすく、両眼視機能も育ちにくいので、早期手術も選択肢になります。

66問:糖尿病のある男性の急性複視とHess赤緑試験

答えは1

Hessチャートで小さいほうの左眼が麻痺眼、ともむき筋である右眼内直筋に過動があり、左外直筋麻痺です。複視は左方視で増強します。

67問:乱視の焦線と網膜の位置関係(計算問題)

答えは2

後焦線=+0.75D、前焦線=−1.25D、最小錯乱円=−0.25Dの混合乱視。倒乱視なので前焦線は垂直線、後焦線は水平線になります。

68問:角膜乱視度数の計算(計算問題)

答えは2

角膜屈折力=(1.3375−1)÷曲率半径(m)。42.19Dと40.18Dの差で、角膜乱視度数は約2.0Dです。

69問:網膜剥離眼の視力検査方法

答えは5

黄斑まで及んだ剥離で中心が見えないため、並んだ視標では捉えられません。単一視標を動かし、比較的よく見える網膜で捉えさせます。

70問:外斜視手術前の眼位検査(片眼視力不良例)

答えは1, 2

左眼が手動弁で固視できないため、カバーテスト系は成立しません。角膜反射で測るKrimsky試験とHirschberg試験を選びます。

71問:霧視を訴える40歳女性の眼底とOCT

答えは2

OCTで両眼とも黄斑の鼻側が菲薄化しています。鼻側網膜は耳側視野を担うので両耳側の障害、つまり視交叉の圧迫=下垂体腺腫を考えます。

72問:充血と異物感を訴える46歳男性の前眼部所見

答えは5

翼状片が鼻側から角膜を引っ張るため、角膜トポグラフィでは鼻側が平坦化します。起こる乱視は直乱視・不正乱視です。

73問:外傷後の急激な視力低下とRAPD

答えは1

眉毛外側の打撲後の急激な視力低下とRAPDから外傷性視神経症を考えます。視神経管骨折の有無を確かめるため、まず頭部CTです。

74問:水晶体偏位のある少年と家族性心疾患

答えは2

水晶体が上方へ偏位し、母・姉・母方の祖父にも同疾患。常染色体顕性(優性)遺伝のMarfan症候群で、心電図異常も矛盾しません。

75問:頭部傾斜のある男児に対する斜視手術の術式

答えは1

右上斜筋麻痺で、目的は頭部傾斜(上下のずれ)の改善です。原田-伊藤法は外方回旋だけを矯正する術式なので、この目的には適しません。

—

全150問の解説を書籍にまとめています。

選択肢を1つずつ検討した解説、別冊の画像26問の読み方、そして文章では伝わりにくいところに描き下ろした図を収録しています。第56回の総評(画像問題が過去5年でいちばん多い年だったこと、ロービジョン・福祉の出題が倍以上に増えたこと)も巻頭に載せました。

『第56回視能訓練士国家試験問題解説』(Kindle・ペーパーバック)

午後75問の解説はこちらです。

ぐちょぽいの外来経験を全部詰め込んだ本ができました!
興味のある方は、ぜひこちらからチェックしてみてください👇

こちらの記事もおすすめ!