腫瘍

脈絡膜血管腫について

脈絡膜血管腫とは

脈絡膜血管腫は脈絡膜に生じる過誤腫で、辺縁が観察できる限局型と、辺縁が観察できないびまん性に分類されます。
びまん性脈絡膜血管腫はスタージウェーバー症候群の40%に合併し、トマトケチャップ様と呼ばれる境界不明瞭な赤色の眼底病変を伴います。

脈絡膜血管腫の症状

周辺部に限局した小さい病変では視力に影響なく、検診で偶然発見されます。
特にびまん性脈絡膜血管腫はパッと見では眼底正常に見えますが、左右の眼底を比較すると健眼と比較して眼底が赤っぽく見えることから疑うことが出来ます。

後極部の限局型やびまん性では漿液性剥離を伴い視力低下をきたします。
また限局型では丈が高いと遠視化も引き起こします。

脈絡膜血管腫の検査所見

FAG

早期では腫瘍部位に網目状の蛍光を認め、後期では過蛍光と低蛍光が混在します。

IA

早期から腫瘍部位が過蛍光となりますが、後期ではwash outされて低蛍光となるのが特徴です。

Bモード

腫瘍部の隆起を認めます。

脈絡膜血管腫の治療

治療としては、これまでは網膜光凝固経瞳孔温熱療法が行われていたようですが、最近はPDTが行われることが多いです(保険適応外)。

黄斑部に及ぶ症例や漿液性剥離で視力低下をきたした症例で治療適応となりますが、視力予後はあまり良くないようです。